カテゴリ:ノウハウ

ABL(動産・売掛金担保)の活用

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売掛金等の債権を担保となるABL(動産・売掛金担保)

ABL(Asset Based Lending)とは、企業が保有している在庫商品、原材料、機械設備などの動産、売掛金等の債権を担保として融資を受ける手法です。 現在の金融機関の融資の担保については、連帯保証人等の人的担保や抵当権等の不動産担保が中心であり、これらのABLについては、これまで活用されていませんでした。 ABLを活用することで、担保にできる不動産を有しない中小企業や新興企業に対して新たな資金調達の道を図ることができます。 もっとも、在庫商品、原材料、設備、売掛金等については、不動産等に比べてその価値を図ることは困難であるため、融資実行までの審査手続に時間を要する傾向にあります。 また、金融機関側から、担保にした在庫商品の数量や売掛金額の増減について定期的に求められることが多く(モニタリングと言います)、これに対して応じる必要があります(報告義務として担保設定契約に盛り込まれることが多いです)。
他にも、担保にした在庫や売掛金、機械設備等といった事業を構成する資産の状況を、金融機関に報告して共有することによって、金融機関にも経営に対して理解を深めてもらい、業績に即した経営アドバイスを受けられる可能性も期待できます。

ABL(動産・売掛金担保)が導入されやすい業界

ABLを利用するメリットが大きい会社としては、①在庫や売掛金等の流動資産を多く保有している企業、②売上高が急速に成長している企業、③機械設備等の固定資産の規模が大きい企業等が挙げられます。
売掛金等の債権を担保とする場合には、主に債権譲渡担保による方法をとります。 通常の手続としては、まずは債権譲渡担保設定契約を締結した上で、同契約に基づき債権譲渡登記手続を行います。 動産を担保とする場合にも譲渡担保による場合が多いです。通常の手続としては、動産譲渡担保設定契約を締結した後、同契約に基づき、動産譲渡登記を行います。機械設備等の場合には、対象となる資産を個別に特定して登記を行う必要がありますが、倉庫の在庫や原材料の場合には対象となる在庫の保管場所等を指定することによって、集合的に登記を備えることになります。

登記が必要なABL(動産・売掛金担保)

なお、民法上は、動産譲渡の対抗要件は「引渡し」、債権譲渡の対抗要件は債務者対抗要件が債務者への通知または承諾、第三者対抗要件が債務者に対する確定日付のある通知、または承諾ですが、動産・債権譲渡特例法により、動産譲渡の対抗要件、債権譲渡の第三者対抗要件にそれぞれ登記という手段が加えられるようになった点には注意が必要です。

弁護士法人中央総合法律事所
弁護士 中村 健三
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