カテゴリ:未回収対策

売掛金回収のテクニック

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では具体的に未払いとなった売掛金を貸倒れさせないためにはどのような方法があるのでしょうか?

売掛金未払いの理由を考える

下図は、売掛先の状況を縦軸を支払い意思、横軸を資金として作成したものです。
相手がどの状況か判断することにより、対応を検討する必要があります。売掛金の回収は、手間と費用がかかります。取引先との関係性を壊さないことを望む場合と、支払い意思、または支払い能力が無いと判断された場合には法的処置を行う必要もあります。
ここでは、取引先との関係を壊さないような順番でご紹介いたします。

電話

まず支払遅延が発生した場合は電話で連絡をとる必要があります。
(1)の場合であれば遅延の理由を確認した上で、期日を設定すればさほど苦労せず回収できることが多いでしょう。(例:事務上の手続きミスなど)
ただし、約束の不履行が発生したり、相手方が取引に対して何らかの不満(商品の瑕疵等)を抱いていたり、資金繰りに不安がある場合は(2)や(3)、(4)のケースも想定できますので遅延の理由をヒアリングする必要があります。

訪問

電話で話がつかない、また不履行が続く場合は訪問し、相手と話し合う必要があります。 この場合、相手方の状況が(2)や(3)であることを想定し、状況をヒアリングする必要があります。 (2)の場合は相手方が支払意思が無い理由を確認し、商品やサービスの改善を行う必要があるかもしれません。
(3)の場合、相手の資金繰りを確認すると共に、この先法的手続をとる可能性を視野に入れ、相手の資産状況もヒアリングしておくことが重要です。 状況に合わせ与信枠の見直しも随時行っていきます。

督促状等通知の発送

約束した期限までに回収ができなかったり、連絡が取れない場合は督促状を送付します。
場合により、内容証明を利用します。内容証明は、送付する手紙の内容を郵便局が証明するもので、配達証明もつければ、相手方に配達されたことも証明されます。後々法的手続きを行うときには証拠として提出できます。

支払督促

内容証明郵便を送っても取引先から反応が無かった場合、支払督促を申し立てます。取引先の住所が管轄の簡易裁判所で支払督促を申し立てできます。
この支払督促が送達されてから2週間以内に異議が申し立てられなければ、仮執行宣言の申し立てができ、相手方に送達後2週間異議申し立てがなければ債務名義を取得できます。
債務名義を取得すると強制執行を行うことができます。強制執行で何を差し押さえるかという問題が出てきます。
相手がどんな財産や債権を持っているかを調べて特定し、裁判所に差し押さえの申し立てをしなければいけません。
そのため、訪問時のヒアリングが重要になります。
執行対象となる資産は例えば、銀行口座、売掛金、敷金、不動産、動産等です。 しかし、支払督促で取引先が異議を申し立てた場合、次は裁判へ発展します。こうなると回収に時間がかかることを覚悟しましょう。

少額訴訟

請求金額が60万円以下の場合に行うことができます。
弁護士など必要なく、費用もそれほどかからず、しかも一日で結果が出る(勝訴すれば、判決が債務名義となり、強制執行できます)ため、売掛金を回収するための手段として、大変便利です。
しかし、注意すべきポイントももちろんあります。まず相手方が少額訴訟を希望しない場合は通常訴訟になります。
また、裁判に必要な証拠は全て債権者側で揃える必要があり、判決に対して不服があったとしても、一度きりで判決が出てしまうので、控訴できませんが、債務者側は判決に対し送達後2週間以内に異議を申し立てると通常裁判にすることも可能となります。
また、裁判所の判決で遅延損害金免除や、分割払いなどの判決へは不服申し立てができません。
更に、同じ裁判所では年間で10回しか少額訴訟をすることができません。

弁護士・司法書士に依頼する

売掛金回収の内容が紛争性の高い内容であったり、内容証明郵便だけでは解決が難しいと考えられる場合は弁護士や司法書士に依頼するといいでしょう。
弁護士・司法書士は代理人になることができ、相手と交渉ができ、裁判の手続きなども行ってくれます(司法書士は金額が140万円以下の案件のみ)。
しかしデメリットもあり、貸倒れ事例でも挙げたとおり相手先に差し押さえるだけの資産がない場合、いくら勝訴しても回収することは不可能であり、更に成功報酬は支払う義務が出てきますので、確実に回収が見込める場合にのみ依頼することが望ましいでしょう。

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