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債権回収と債権保証の違い

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債権を扱う上でおさえておきたい基本的な知識、債権回収と債権保証について解り易く解説いたします。

債権回収業務と債権保証業務とは?

債権回収業務とは、債権回収会社(いわゆる「サービサー」です。)がもともとの債権者の委託を受けて、あるいは債権者から債権自体を譲り受けて、当該債権の回収を行う業務です。債権回収や管理には、手間や時間、費用など多大なコストが生じることから、債権回収会社が専門的に行います。

債権保証業務とは、債務者が倒産したなどの理由によって債権が回収できない債権者に対して、債権保証業者が債権について保証契約を締結して、債権者に保証債務を履行する業務です。

結果として債権回収を保証し、債権者の信用リスクをヘッジする役割があります。 保証債務を履行した債権保証会社は、債務者に対して代位弁済によって同額の求償金債権を取得しますので、 これらの債権回収を図ることになります。これについても、もともとの債権者は焦げ付いた債権について回収・ 管理するコストをかけずに済みます。

債権回収業務と債権保証業務の違い

【許認可による制限の有無】
債権回収業務を業として行うことができるのは、弁護士を除いてはサービサーと呼ばれる当局から許可を受けた債権回収会社のみです。債権回収は、債権者自ら債権管理や回収を行うことが原則であり、単純な受領を超えた交渉などを伴う他人の債権を回収する業務については、弁護士法72条に基づき弁護士のみが報酬を得て実施できるとされていました。

しかし、それでは多数発生する不良債権の効率的な管理回収を図ることができず、社会のニーズに対応できないことから、弁護士法の特例として、平成10年に「債権管理回収業に関する特別措置法」が制定され、弁護士以外では、許可を受けた債権回収会社のみ実施することが認められています。
また、債権回収会社が回収業務を行うことができるのは、「特定金銭債権」と定義される債権(主に金融機関が有する貸付債権など)に限定されています。

一方、債権保証業務については、債権回収のような法律や許認可による規制は原則として存在せず、また、対象となる債権にも原則として制限はないため、比較的柔軟にサービスの設計などを行うことができ、多種多様なサービスがあります。


【利用場面の違い】
債権回収業務については、既に焦げ付いた債権について、まとめて譲渡を受けた後に回収を行う場合が多いです。一方、債権保証業務は、あらかじめ保証サービスを受けることによって、いざ取引先の倒産などが生じた場合に、管理回収コストをかけずに速やかに保証会社から回収を受けられます。

このように債権回収業務のサービスは、債権者において信用リスクが現実化した後に、管理回収コスト(電話や書面、面談などによる督促、法的手続、時効管理など)を軽減させるために用いられます。
これらの債権は通常は回収が難しいものが多いので、当然、債権回収会社による買取価格は、精査の上、額面上の債権額よりもかなりカットされることになります。

債権保証業務のサービスは、信用リスクが現実化する前に、あらかじめ回収困難となった場合に保証を行うべき対象債権を確定したうえで、債権者から保証料を取得することになります。

債権者としては、債権保証会社に保証料を支払う代わりに、対象債権が焦げ付いても保証会社によって原則として全額の満足を受けられることになるため、債権額がカットされる債権回収業務よりメリットがあります。

このように、大括りにすると、債権回収業務は事後、債権保証業務は事前の手段として機能すると言えます。

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