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売掛けの支払いサイトの見直しを

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「弊社では、お支払いは月末締め、翌々月末払いとなっております」
ビジネスではこのような会話がよく交わされます。売り上げはすぐに現金化されるわけではなく、一度、売掛金・買掛金になった後に、銀行預金や現金として回収されます。経営者は、売り上げだけでなく、掛取引によるキャッシュの状況にも注目しなくてはなりません。

入金は早く、支払いは遅く

入金・支払いサイトが不利な条件にある結果、手元のお金が少なくなり、資金繰りに窮する例は多いものです。
経営の視点から考えてみると、サイトの長さは経営において非常に重要になるため、様々な指標で計測・管理されています。例えば、売掛債権÷買掛債務×100で計算する「売掛債権対買掛債務比率」においては、買掛金に比べ売掛金が膨らんでいる(同比率100%超)会社は、債務への保証制度を用いるなどの注意が必要になります。

そのような状況にある会社は、金融機関等からの評価でも「キャッシュ不足に陥る危険あり」と判断されてしまいます。金融機関から運転資金が借りられなくなれば、最悪の場合「黒字倒産」もありえます。

このように重要な入金サイトですが、価格と比べ、取引相手の「言うがまま」になりがちな一面があります。営業担当者は受注のクロージングを急ぎ、価格や納期以外の条件についてはあまり重要視しないことが多いようです。また、一度継続取引になると、最初に決めたサイトを変えることは難しくなってしまいます。

入金サイト交渉を有利に進めるには

冒頭のセリフからもわかりますが、支払いサイトは相手先の社内の運用なのだから仕方がない、という諦めもあるようです。しかし、交渉の余地がないわけではありません。

ここで有効なのが「交換条件」です。例えば、新規取引先に対して見積もりを出した際に、値引きの交渉を受けることがあります。このとき、値引きを受け入れると同時に、サイト短縮を申し入れれば、受け入れられやすくなります。

既存の取引についても同様です。価格や納期など、条件変更の申し入れを受けた場合、サイトを交渉のカードとして用意し、相手の要求に「それではお支払いのサイトを短縮していただけますか」と「カウンターを当てる」ことができるようにしておくとよいでしょう。

入金サイトの長短を「価値」として計算

会社内部でのキャッシュの多寡は、一つの取引からでは表面化しません。すべての取引の累積が、じわじわと効いてきます。いつのまにか危険水準までに達してしまうのが怖いところです。取引全体のサイトを見直し、入金の前倒しが実現すれば、キャッシュフローが改善していくのが肌で感じられるようになるはずです。

「今受け取るお金」と「将来受け取るお金」は、同額でも価値が異なります。経営に必要となる視点は、入金サイトの長さを単なる手続きの問題として捉えるのではなく、価値の割引要因として認識し、個々の取引を総合的に評価できる基準を作ることだといえるでしょう。

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